選挙期間外に政治団体がビラを配る行為は問題ないか?

Q.選挙期間外の平時の政治活動として、政治団体がビラを配る行為は問題ないか?

選挙期間中に政治団体が発行したとみられるビラを不特定多数の人に頒布していたとします。

この場合のビラの配布行為は、公選法上どのような扱いになるのでしょうか。

・文書には特定の候補者の氏名は記載されておらず、特定の政党への投票を直接呼びかける内容はありません。

・また、投票を呼びかける文言はあるものの、政権与党を批判する政治的な主張が主な内容となっています。

・さらに、記載内容を見ると「○○後援会」などの、団体名と思われる記述があり、加えて「共同代表」「事務局」などの文言とともに、人物名が複数確認できるため、本件文書は複数の人物で構成される団体が頒布した政治活動用ビラと推認できたとします。

 

A.回答

政治活動は、原則自由ですが、全ての政治活動が許されているわけではなく、一定の規制があります。

今回のケースであるビラを不特定多数の人に配るという文書の頒布行為については、一定程度認められています。

つまり、選挙期間外の平時の政治活動用の文書の頒布行為については、選挙運動性のある内容でないことに加え、売名行為に該当しない場合、ただちに禁止されるものではありません。(文書の掲示については複数の規制があります。)

例えば、ビラを配る後援会が指示する候補者の氏名のみがビラに記載されているだけなら、ただちに公職選挙法に抵触するものではありません。

選挙運動性のある内容とは、「特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため投票を得若しくは得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な周旋、勧誘その他諸般の行為」が記載されているようなもの指します。

このような選挙運動のための文書である場合には、公職選挙法第129条、第142条に抵触するおそれがあります。

例えば、「次期衆院選(特定の公職の選挙)には○○(個人名)へ投票をお願いします」と記載された文書です。

また、不特定多数の人に自身のPRをするような売名行為が疑われる内容については、公職選挙法第129条に抵触する恐れがあります。

(選挙運動の期間)

第129条 選挙運動は、各選挙につき、それぞれ第86条第1項から第3項まで若しくは第8項の規定による候補者の届出、第86条の2第1項の規定による衆議院名簿の届出、第86条の3第1項の規定による参議院名簿の届出(同条第2項において準用する第86条の2第9項の規定による届出に係る候補者については、当該届出)又は第86条の4第1項、第2項、第5項、第6項若しくは第8項の規定による公職の候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。

公職選挙法|条文|法令リード

(文書図画の頒布)

第142条 衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書及びビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。

 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者1人について、通常葉書 3万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 7万枚

一の二 参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者(第86条の3第1項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されている者を除く。)1人について、通常葉書 15万枚、中央選挙管理会に届け出た二種類以内のビラ 25万枚

 参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者1人について、当該選挙区の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一である場合には、通常葉書 3万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院合同選挙区選挙については、当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会。以下この号において同じ。)に届け出た二種類以内のビラ 10万枚、当該選挙区の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとに、通常葉書 二千五百枚を3万五千枚に加えた数、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 1万五千枚を10万枚に加えた数(その数が30万枚を超える場合には、30万枚)

 都道府県知事の選挙にあつては、候補者1人について、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一である場合には、通常葉書 3万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 10万枚、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとに、通常葉書 二千五百枚を3万五千枚に加えた数、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 1万五千枚を10万枚に加えた数(その数が30万枚を超える場合には、30万枚)

 都道府県の議会の議員の選挙にあつては、候補者1人について、通常葉書 八千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 1万六千枚

 指定都市の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 3万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 7万枚、議会の議員の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 四千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 八千枚

 指定都市以外の市の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 八千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 1万六千枚、議会の議員の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 二千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 四千枚

 町村の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 二千五百枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 五千枚、議会の議員の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 八百枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 千六百枚

 前項の規定にかかわらず、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙においては、候補者届出政党は、その届け出た候補者に係る選挙区を包括する都道府県ごとに、2万枚に当該都道府県における当該候補者届出政党の届出候補者の数を乗じて得た数以内の通常葉書及び4万枚に当該都道府県における当該候補者届出政党の届出候補者の数を乗じて得た数以内のビラを、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。ただし、ビラについては、その届け出た候補者に係る選挙区ごとに4万枚以内で頒布するほかは、頒布することができない。

 衆議院(比例代表選出)議員の選挙においては、衆議院名簿届出政党等は、その届け出た衆議院名簿に係る選挙区ごとに、中央選挙管理会に届け出た二種類以内のビラを、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。

 衆議院(比例代表選出)議員の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、前項の規定により衆議院名簿届出政党等が頒布することができるビラのほかは、頒布することができない。

 第1項の通常葉書は無料とし、第2項の通常葉書は有料とし、政令で定めるところにより、日本郵便株式会社において選挙用である旨の表示をしたものでなければならない。

 第1項から第3項までのビラは、新聞折込みその他政令で定める方法によらなければ、頒布することができない。

 第1項及び第2項のビラは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会。以下この項において同じ。)の定めるところにより、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の交付する証紙を貼らなければ頒布することができない。この場合において、第2項のビラについて当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会の交付する証紙は、当該選挙の選挙区ごとに区分しなければならない。

 第1項のビラは長さ二十九・七センチメートル、幅二十一センチメートルを、第2項のビラは長さ四十二センチメートル、幅二十九・七センチメートルを、超えてはならない。

 第1項から第3項までのビラには、その表面に頒布責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては名称)及び住所を記載しなければならない。この場合において、第1項第1号の2のビラにあつては当該参議院名簿登載者に係る参議院名簿届出政党等の名称及び同号のビラである旨を表示する記号を、第2項のビラにあつては当該候補者届出政党の名称を、第3項のビラにあつては当該衆議院名簿届出政党等の名称及び同項のビラである旨を表示する記号を、併せて記載しなければならない。

10 衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院議員の選挙における公職の候補者は、政令で定めるところにより、政令で定める額の範囲内で、第1項第1号から第2号までの通常葉書及びビラを無料で作成することができる。この場合においては、第141条第7項ただし書の規定を準用する。

11 地方公共団体の議会の議員又は長の選挙については、地方公共団体は、前項の規定(参議院比例代表選出議員の選挙に係る部分を除く。)に準じて、条例で定めるところにより、公職の候補者の第1項第3号から第7号までのビラの作成について、無料とすることができる。

12 選挙運動のために使用する回覧板その他の文書図画又は看板(プラカードを含む。以下同じ。)の類を多数の者に回覧させることは、第1項から第4項までの頒布とみなす。ただし、第143条第1項第2号に規定するものを同号に規定する自動車又は船舶に取り付けたままで回覧させること、及び公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙における候補者で当該選挙と同時に行われる衆議院小選挙区選出議員の選挙における候補者である者以外のもの並びに参議院比例代表選出議員の選挙における候補者たる参議院名簿登載者で第86条の3第1項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されているものを除く。)が第143条第1項第3号に規定するものを着用したままで回覧することは、この限りでない。

13 衆議院議員の総選挙については、衆議院の解散に関し、公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)の氏名又はこれらの者の氏名が類推されるような事項を表示して、郵便等又は電報により、選挙人にあいさつする行為は、第1項の禁止行為に該当するものとみなす。

公職選挙法|条文|法令リード

(パンフレット又は書籍の頒布)

第142条の2 前条第1項及び第4項の規定にかかわらず、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙においては、候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等は、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の本部において直接発行するパンフレット又は書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ一種類のパンフレット又は書籍を、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。

 前項のパンフレット又は書籍は、次に掲げる方法によらなければ、頒布することができない。

 当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の選挙事務所内、政党演説会若しくは政党等演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布

 当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等に所属する者(参議院名簿登載者を含む。次項において同じ。)である当該衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙における公職の候補者の選挙事務所内、個人演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布

 第1項のパンフレット又は書籍には、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等に所属する者である当該衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙における公職の候補者(当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の代表者を除く。)の氏名又はその氏名が類推されるような事項を記載することができない。

 第1項のパンフレット及び書籍には、その表紙に、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の名称、頒布責任者及び印刷者の氏名(法人にあつては名称)及び住所並びに同項のパンフレット又は書籍である旨を表示する記号を記載しなければならない。

公職選挙法|条文|法令リード